突然の公開停止
2021年5月5日に公開された第5弾作品「ナマステカレーポリス」は、動画の内容に対する批判コメントが殺到して「公開停止」となりました。
私は公開初日に見て「今回はナマステさんの過去編かー ほんといいキャラしてる」「おおお ラストシーンで3種の神器出揃った!」「やっぱりチバニャンは天才」くらいの感想を持っただけで「明日から考察書こう」なんて思っていたのですが、翌日にはコメント欄が荒れ始めて炎上状態となり、あっという間に公開停止となってしまいました。
炎上した理由
コメント欄を見ていると炎上の主な理由は「インド人を間違ったイメージで表現してバカにしている」「ヒンドゥー教の神様を侮辱している」という内容が多かったと思います。
『インドにはカレー以外の食べ物もある!インド人はカレー以外も食べる!』
みたいなことがたくさん書かれていて、「えええーそんなこともちろん知ってるよ。そういうキャラクター設定やん・・・コメディ表現なのにそんなに怒らなくても」と思っていましたが批判的なコメントは増え続け、低評価が高評価を上回っていきました。
もちろんCandyFoxx側もインド人や神様をバカにする意図は全くなく、コメディとして表現したつもりだったと思います。多くのインド人に笑顔で楽しんでもらえるつもりが真意が伝わらず全く逆の展開となってしまいました。
私の感覚
私たち日本人は海外映画などで「忍者・相撲力士」や「カメラをぶら下げたメガネ・出っ歯のサラリーマン」姿や「合掌しながらお辞儀」をするポーズなど、外国人から見たお決まりの日本人イメージで描かれることが多いです。
でも私達はそれに対して怒らず「いやいや、今どきそんな人いないでしょ」と笑って流すことが多いのではないでしょうか。さらに日本では神様・仏様を可愛いイラストで表現したり、お笑いの要素として使用することもあります。
そんなこともあって完全日本人感覚な私は「なんでこんなに怒ってるんだろう」と批判されている内容が理解できませんでしたが、それは私の感覚なんですよね。当然地域や人ごとに価値観は大きく異なります。特に宗教に関するタブーは非常に多いと聞きます。
今回のラストシーンで魔法のランプから「ガネーシャ」というヒンドゥー教の神様が登場したシーンが一番問題視されたようです。(ここがいまだによくわかっていないので今回の炎上が私の中で納得できていないのですが、それは侮辱的に感じる表現だったようです)
侮辱するつもりはなかったとはいえ、そう伝わってしまったことは反省しなければいけないと思います。批判の声も少なくはなく、作品非公開後にCandyFoxxも謝罪メッセージを公開しました。
謝罪メッセージに対する数多くのコメントの中で「We will Forgive but will never Forget(私たちは許しますが、決して忘れません)」というコメントが印象に残っています。とても重たい言葉です。
重要視していた国
あまり知られていませんが、YouTubeの登録者数No.1のチャンネルはインドの「T-Series」というチャンネルで2億人近くの登録者がいます。さらにインドの人口は14億人近くにもなり、今後中国を抜いて世界一の人口となる超大国です。
そういった理由もあり、CandyFoxxはインドでの活動を重要視しているようでした。そのためのナマステというキャラクターだったと思います。
今回このように重要視していた国で予定外の炎上をしてしまったため、今後の展開への影響は非常に大きく様々なプランが軌道修正されることになりそうです。
チェック体制の疑問
DJ社長はライブ配信などで国際問題や宗教問題について気にしていたので、動画制作に当たって私たち以上に表現の問題がないかを調査したと思いますし、今回はインドの現地スタッフさんたちもいたのに問題にならず映像化できたのはどうしてなのだろうという疑問は残ります。
激しく気にする人と、そこまで気にしない人がいるということでしょうか。
今後の展開
これまでの物語で黒狐から授かった「スシヤクザの槍」「ヨガモンクの数珠」「ナマステの魔法のランプ」はそれぞれ神様を召喚する能力があったのだと考えられます。槍はポセイドン、数珠は千手観音、ランプはガネーシャ。そして召喚した神様たちが協力したり、時には戦ったりしながら面白おかしく物語を進めていく予定だったのではないでしょうか。
今回の炎上でガネーシャを取り扱うことは難しくなりました。そしてナマステというキャラクターも扱いづらくなり、このままでは有名俳優さんたちの出演も厳しい状況かもしれません。
今後予定通りの毎月更新がされるのか、一旦活動を休止して仕切り直しとなるのか、公式発表を待ちたいと思います。今回の件はこれから世界展開する上で大きなダメージになってしまいそうです。
今回非公開となった作品が将来的に作り直されて、いつかインドへ再挑戦する日が来ると信じていますが、それは今回の反省を生かして批判されてしまった人たちにも楽しんでもらえるような作品となることを期待しています。